大人の【中耳炎・内耳炎】体験記録
中耳炎。育児中なら身近な病気ですよね。実はこの度、中耳炎になってしまったんです、大人の私が。
どのくらいの期間で治るのか、どんな過程をたどるのか、調べても大人の体験談はなかなかなく……せっかくなので今回は、大人が急性中耳炎から滲出性中耳炎になり、軽い内耳炎にもなり、過程で難聴も体験したその記録を綴ります。
前兆から発症まで
まずはじめは4歳の子どもがRSウィルスで高熱を出して、回復まで1週間かかったことにさかのぼります。その後、子どもの鼻水を吸ってあげていた夫に、喉の痛み、鼻水、咳の症状が出現。病院では、溶連菌かな?と抗生物質が出ました。なかなか治らない夫から私に移されたら困るので、寝室を分けることに。
その日、私にも夕方から時おり咳が出始めました。夜、寝室を分けるため、普段使わない部屋に、普段使わない布団をひいたころ、鼻水がとまらなくなりました。もともと布団や衣類から出る埃にアレルギー的に反応しやすいので、半分はそのせいかなと思いつつ、寝かしつけに焦っていたので、鼻を何度も強くかみながらやり過ごしてなんとか就寝。翌朝にはだいぶ鼻水がおさまったので、安心しました。
翌日から2〜3日の間は、少し咳が残り、たまに緑の鼻水が出るのをかむくらい。一応コロナなども疑い、こまめに体温を測ると、平熱→たまに37.6度→平熱ところころ変わる。そんな感じでした。他にも痰が出たり、頭痛がありました。今思えば、それらが前兆だったかもしれません。
そして、鼻水がたくさん出た夜から4日後の朝。
起床と同時に左耳に強い違和感。聞こえが悪いし、耳の中が、痛い!!自分としては突然の発症でした。
発症から治療・完治まで
発症日【外耳炎・急性中耳炎・副鼻腔炎】
とにかく耳が痛いので、初体験ながら、急性中耳炎かなとあたりをつけて朝イチで耳鼻科にかかると、「外耳炎、中耳炎、あと副鼻腔炎になってますね」と、まさかトリプル診断。
「副鼻腔炎もですか?」と聞くと「そう、あなた(アレルギーの)自覚ないの?」とも言われてしまいました。そう言えばアラフォーになってから風邪をひいた際に「副鼻腔炎」で通院を余儀なくされるたことが2回くらいあったな……私、副鼻腔炎になりやすい自覚が全然足りなかったみたいです。軽くショック。
この日の処置の詳細は忘れてしまいましたが、まずなにより根本は鼻の治療ということで、鼻奥に詰まっている鼻水を吸ってもらい、薬の塗布(Bスポット治療?)、耳への空気通し、鼻の吸入などをして、耳にガーゼを詰められ、抗生物質や鎮痛剤を処方されました。また、
- 今日はお風呂には入らない
- 鼻を強くかみすぎない
- ガーゼは翌朝まで取らない
ように言われました。終日耳が痛くて仕事も集中できず……鎮痛剤だけが頼みでした。大人でこんなに痛いのだから、幼児だったら泣き続けるかも……育児中に悪名高い中耳炎の痛さ、身をもって体験しました。「聞こえ」も悪く、夜になると音が二重に聞こえたりしていました。
発症2〜3日目【滲出性中耳炎】
翌日から痛みはほぼなくなりましたので、ひと安心。
そのかわり、左耳の聞こえが悪いのがとても気になります。「キーン」という高音の耳鳴りがやまないし、ずっと水の中にいるみたいな、あるいはプール上がりに耳に入った水がずっと抜けない……みたいな状態で、非常に不快です。
段階としては、急性中耳炎から滲出性中耳炎へ移行したようです。滲出性中耳炎とは、鼓膜の奥の「中耳」に「浸出液」と呼ばれる液体が溜まってしまう病気だそうです。
鼓膜の奥に液体が溜まっているというのがよくわかる感じで、とにかく聞こえが悪い。静かな場所なら問題ないのですが、テレビや掃除機をかけるような騒がしい音が流れていたりすると、家族が何を言っているのか聞き取れず、生活にも支障が出ました。片耳がよく聞こえないだけで、ここまで大変だとは……!初めて知る世界でした。
発症4日目【鼓膜切開】
再び耳鼻科を受診。左耳が、水の中にいるようで不快だと伝えたところ「鼓膜切開してみましょうか」と。鼓膜に1mm程度の穴を開けるらしいです。ネットで調べて多少は心構えができていたし、早くこの不快感を改善したい気持ちが強かったので、お願いしました。耳に軽く麻酔を塗ってからですが、やっぱり結構痛かったです。耐えられないほどではないですが。処置後、耳にガーゼを詰められて明日の朝まで入れておくように言われたので、ガーゼの物理的違和感で、特に聞こえに改善はなく。どうかよくなりますように……と祈る気持ちで就寝。
できたら翌日も診せに来てと言われたので、仕事が忙しい時期でしたが、何より難聴になるのが怖くて、必ず行くことを心に誓いました。
発症5日目
昨日の鼓膜切開に期待して起床するも、聞こえや耳鳴り、耳の中の圧迫感は何も変わらず。一応、耳のガーゼを取ると黄色ぽい色はついていましたが、それだけ。鼓膜を切開したからといって特に「耳だれ」も出ない……がっかりしながら、通院。
なんと昨日せっかく痛い思いをして開けた穴が「ふさがってますね」と言われました。「1日でふさがるんことあるんですか?」聞くと「炎症が強いとある」とのこと。ショック……。
相変わらず鼻の奥には鼻水がいるらしく、鼻水を吸ってもらい、耳への空気通し、鼓膜マッサージ器(両耳にゴムがついたチューブを差し込んで振動を与えられる)、鼻の吸入の処置後、帰宅。
鼻奥の鼻水については自覚症状はなく、個人的には鼻通り良好、鼻をかんでも何もでる気配なし。あまり強く鼻をかんでもダメだし。原因となる鼻の奥の鼻水が憎い。どうやって副鼻腔炎を治せばいいのか……薬だけが頼りです。
発症6〜8日目
相変わらず左耳には以下の症状。
- 鼓膜に水圧がかかるような圧迫感
- 水の中にいるような聞こえの悪さ
- 高音のキーンという耳鳴り
ただ、社外での終日の仕事もあって忙しかったので、少しだけ気が紛れる瞬間も……その慣れもまた、自分的には怖い。周りから見たら何も分からないので、家族からは「良くなった?」と聞かれがちですが、ただ慣れただけ……溜息が出ます。職場の人が右側で話してくれる配慮がありがたいです。滲出性中耳炎、手強い。
大人の中耳炎は難聴が後遺症になる心配がある……というのが、怖くて怖くて。この時期の聞こえの悪さと不快感はその恐怖に拍車をかけました。
発症9日目【内耳炎】
起床時には溜息をついてましたが、病院に向かう道すがら、ほんの少しだけ耳の中の水感が減った気がしないでもないな……と思いました。本当にわずかですが、発症以来そう感じたのは初めてです。
先生から「鼻水は減って、鼻の奥きれいになってきたよ。耳の空気の通り良くなってるよ」と言われたので、そうなんだ!と自分の感覚に少し自信を持ちました。鼓膜マッサージ、鼻の吸入後に、発症以来、初めての聴力検査をしてくれました!聞こえの悪さを数値で見たかったので、受けたかったんです。
聴力検査は、普段の健康診断のとは比べものにならないくらい小さい音だったため、人生で一番真剣に取り組みました。ただ、密室で数十cmの距離にいる方が機械を操作するから、操作音で音がなるタイミングがわかってしまうような……と思いつつ、正確な検査結果のためにベッドホンの音に集中して頑張りました。また鼓膜の振動を見る検査もしました。
先生からは検査結果について、鼓膜の振動も大丈夫そうだし、聞こえの数値もそこまでは悪くない、と言われました。耳鳴りの有無も聞かれたので、あると答えました。
中耳炎はだいぶ良くなってきたが、内耳炎の治療が必要とのことで、急性内耳炎、突発性難聴に使うような、血流を良くする薬、ビタミン、ステロイド薬を5日分出しますとのことでした。服薬を続けて飲み切った後、「すっきりしていたらもう来なくてもいいですよ」と言われ、耳を疑いました。え、この聞こえの悪さ、不快感で、5日後にそんなんになるの!?と半信半疑で帰宅しました。
発症10日目【音程が狂う】
起床後、相変わらずの左耳の違和感にガッカリ。でも、日中、なんだか圧迫感や水を感じることはだいぶなくなってきました!
聞こえが少しクリアになったかわりに、人の声や日常の音が割れて、二重に聞こえるのが気になります。また、音階があるものは音程がおかしく聞こえて、気持ちが悪い……。例えば、聴き慣れている家のチャイム音、家電のタイマー音、鳩時計などは、壊れて音程が狂ったように聞こえます。既知の音楽が調子外れに聞こえるので、おかしいのは自分の耳の方なんだと気付く感じです。和音が不協和音になる世界……新しい不快感との出会いです。音楽を仕事にしていたら、大変だなと思います。怖いので、とにかく薬を飲み忘れないようにしました。
発症11〜13日目
以前から予定していた1泊2日の家族旅行に出かけました。近場でグランピングです。子どもが生まれてから初めての、実に5年ぶりの旅行。非日常の高揚感で、音の聞こえ方が変なことはあまり気になりませんでした。水を飲んだりすると、耳の中からメリッという音が聞こえたりします。
ただ、抗生物質で腸内環境がリセットされたのか、便秘になり、持病の痔が再発したのが辛かったです。
発症14日目
5日分出されていた薬が切れるため、再び通院しました。5日前に比べたら、水の中にいるような圧迫感やくぐもった感じもなくなり、聞こえはかなりスッキリ!その分、全ての音程が狂って聞こえることに神経が集中してしまいます。今出ている症状は、内耳の「神経」への影響なんだなぁ、と自覚できます。
先生からも鼻や鼓膜はもう大丈夫だけど、音の聞こえ方がおかしいなら服薬を10日ほど続けて、また聴力検査をしましょうと言われました。ステロイド薬だけは、段階的に減らすとのことで、今まで1日3回だったものを、今日から1日2回に、5日後には1日1回に、減らすことになりました。いつも通り耳に空気を通し、鼓膜マッサージ、鼻に吸入して帰宅。
発症15〜16日
慣れたのか、あまり耳のことが気にはならなくなるものの、運転中にラジオを聴いていると、バックに流れる和やかな音楽の音程が狂っていて、気持ちが悪さを覚えました。やはりまだ音がおかしく感じます。また、ときどき耳の中がメリッといいます。
発症17日目【正常化】
朝、家族に耳のことを聞かれたのでクラッシック音楽を流してもらうと、あまり音階の乱れを感じない………酔うような気持ち悪さがない。
発症から17日目、聞こえがほぼ正常化したようです!嬉しい!!
ときどき耳の中はメリッといいますが、特に支障はなし。出されている薬は継続していきます。
発症23日目【完治】
すっかり良くなったのですが、薬が切れる頃に聴力検査をしましょう、と言われていたので通院しました。2回目の聴力検査も、ヘッドフォンから聞こえる音より目の前に操作音が聞こえてしまって……やっぱり難しかったです。
とはいえ先生からは「もともと、すごく聴力良かったんですね。年齢の割に、小学生並みの聴力ですよ。コンビニの前で流れるモスキート音が聞こえるでしょ?」と。実は、耳が良いという自覚があったので、そう言われて嬉しかったです。「これだけ聴力が良ければ、発症中は不快だったでしょうね」とも言ってもらえて、苦労が少しむくわれた気がしました。
まとめ
これにて私の初めての外耳炎、急性中耳炎、滲出性中耳炎、内耳炎の治療は完了となりました。
正常化までは約17日
完治宣言までは23日
かかりました。最後に自戒を込めて、今後気をつけたいことをまとめます。
中耳炎や内耳炎にならないために
- 風邪などをひいたら鼻の症状に注意し、症状があったら早めに耳鼻科にかかり、副鼻腔炎にならないようにする。
- 鼻を強くかみすぎない。片鼻をしっかり抑えて、ゆっくり丁寧にかむ。
- 突破性難聴はいかに早く治療を始めるかが大切だと知ったので、聞こえに異常を感じたらすぐに耳鼻科にかかる。
みなさんも、中耳炎は子どもの病気と思い込まずに、どうぞ十分にご注意くださいね。私ももう二度と中耳炎にならないよう注意していきたいと思います。
以上、マニアックな記録にはなりましたが、どなたかの参考になることを祈って……。なお、ここに記したのはあくまで一個人の記録です。何か気になる症状がある場合は、必ず専門医にかかり、お医者様の助言に従って治療をしてくださいね。